Lamp harajuku

#009 COSMIC WONDER

この夏矢野悦子が訪れたのは、COSMIC WONDERの制作拠点である、アトリエ「竜宮」。古き日本の文化を引き継ぐ京都の山里で、主宰・前田征紀さんにをお話を伺いました。

*子供の頃のお話を聞かせてください

-子供の頃から美術と衣服に興味があり、アーティストかデザインのことをしたいと思っていました。
外で他の子供たちと遊ぶこともありましたけれど、家で絵を描いたり、美術館に行ったり、一人でいることも多かったですね。母は美術が好きだったので、その影響で興味を持ち、クラシック音楽なんかのレコードもよく聴いていました。

* 穏やかにお話をされる印象を受けますが、子供のころからですか?

-むしろ真逆で、感情が激しくて、気が強い子供でした。今でもそのような側面がありますが、精神世界のことなどを勉強していくうちに、感情をそのまま出すのではなく、一定の精神を保つことが大切だと学びました。

*集団の和などには溶け込んでいましたか?

-集団の中では孤独だったかもしれませんね。

*幼少から浮世離れしていたのでしょうね。

-そうでしょうか。

*大学で建築を学ばれたとお聞きしていますが、なぜでしょうか?

-アートをするにあたって、空間を把握することが必要だと思ったからです。

* COSMIC WONDERはどのような形で始まったのですか?

-大学を終えるぐらいの時期に、友人達と集まって創ったのがCOSMIC WONDERです。

自分たちは一度も仕事をしたことがなく、社会の仕組みがわかりませんでした。試行錯誤しながら服と組織を作りました。

*2000年代に入り海外を中心にコレクションを発表されてきました。

その当時の印象的な出来事を教えてください。

-パリでもニューヨークでも、美しさと知性を持つたくさんの友人に出会えました。彼らと出会えたことがその当時の印象的な出来事であり、私の心と記憶の宝です。

* COSMIC WONDER、COSMICWONDER Light Source、Solar Garden

この3つそれぞれを2014年COSMIC WONDERという名前1つにしたのは、どのようないきさつがありましたか?

-自然と共に暮らすことに興味が湧いてきました。

自然農などを試みることも真剣に考えました。瞑想を静かなところでしたくなりました。そして、私とCOSMIC WONDERのこれからのあり方とは何かと考えました。

アートとしてのCOSMIC WONDER、デザインやコンセプトを重視したLight Source、オーガニックコットンや自然素材、草木染色にこだわった Solar Gardenの、Solar Gardenの考えを主軸に置き3つを融合させ、COSMIC WONDERの1つとしました。

素材はすべて自然素材、手仕事や工藝のことを大切にしています。このような経過、生き方というのは自分だけでなく、世界全体が緩やかに興味を持ちはじめて来たときだと思います。ここに行き着くまでというのは、突然このような考えに到達したということではありません。アートやデザインを重視したことを試みることも必要でしたし、徹底してオーガニックの素材に注力する活動も必要でした。現在の在り方を発見するためにもこのような過程が必要でした。

*美山での暮らしはいかがですか?

-暮らし始めて間もないですが、ずっと昔から暮らしてきたような感覚です。

自然と向き合いながら暮らすことはとても大変なことですが、根源的なことを感じながら制作できることにとても感謝しています。

* アトリエを「竜宮」と名付けた由来は?

-この世とあの世の狭間のようなところですから。

* * * *

近年、豊かさの本質や地球と共存し生きていくことを考えていました。
そんな中、COSMIC WONDERが京都の山奥にアトリエを構える準備をしていると聞いたのは、2014年でした。
ファッションに現代美術、民藝や骨董が見事に調和されたCOSMIC WONDERの提案と空間は本当に美しいです。

わたしは彼ら独自のコミュニティ形成が、ここ美山から派生してクリエイティブの大きなうねりになっていくような予感がしています。

* * * * *

COSMIC WONDER
1997年、現代美術作家・前田征紀を主宰として設立。東京・南青山に「Center for COSMIC WONDER」を開設、活動と発表の拠点とする。「精神に作用する波動」としての衣服や美術作品の制作、書籍の発行など多岐にわたる表現領域において、国際的な活動を行う。 京都・美山の重要伝統的建造物群保存地区にて 、手仕事と工藝を組み合わせた作品を中心に、制作を展開している。2016年夏には島根県立石見美術館にて、石見の自然と石州和紙をテーマにしたパフォーマンスと展覧会「お水え いわみのかみとみず」を開催。2017年8月29日から、銀座・資生堂ギャラリーにてCOSMIC WONDERと工藝ぱんくす舎「かみ」展を開催する。

前田征紀
COSMIC WONDER主宰・現代美術作家。自身の経験した出来事や日常のイメージに基づくインスタレーションを発表。それらは一貫して「光」をテーマとしたものであり、鑑賞者が光と出会い、光同士が堆積する神秘的な空間を表現するものである。「ヨコハマトリエンナーレ」(主会場は横浜美術館、2011年)、「宇宙と芸術展」(森美術館、2016年)など数々の美術展に参加し、国内外で高い評価を獲得している。2018年春にTaka Ishii Galleryにて個展を開催予定。

COSMIC WONDER Light Page
http://www.cosmicwonder.com

Center for COSMIC WONDER Instagram
https://www.instagram.com/centerforcosmicwonder/

聞き手:矢野悦子 Etsuko Yano
https://www.instagram.com/lampharajuku.records/

写真:湯浅亨 Toru Yuasa
www.yuasatohru.com